セラピストの美容知識

乾燥肌でお悩みのお客様へのフェイシャル:エステティシャン必読

フェイシャルトリートメントを施すエステティシャン・セラピストに向けた肌知識として、

肌が乾燥している状態とは、どういう状態か?

ということについて、具体的にお伝えしていきます。

はじめまして、3つの軸でサロンオーナーの売上げのステージアップをサポートする、Sawaiゼミ主宰澤居寿江です。  

  • 「肌が乾燥している」
  • 「うるおいが足りない」
  • 「水分量が低い」

というのは、よく言われたり、聞かれたりしますが、

そもそも

  • 肌のうるおいとは?
  • 乾燥しているとは?

どういうことでしょうか。

肌がどうなっていたら「乾いている」状態か、肌の組織のことを含めて答えられますか?

・・・わからないかも。。という方は一緒に、乾燥肌についてこの記事で見ていきましょう!

乾燥肌のチェック方法

私達はお肌に現れる肌悩みの多くが「乾燥」から引き起こされることを知っていますよね。

角質層が潤っていない。角質が乱れてカサカサしている。

そんな状態のお客様のお肌は、まるで藁半紙に触れた時のような、指先に引っかかりを感じます。

肌乾燥状態

肌が乾燥する原因とは

肌のうるおい成分には

  • 皮脂膜
  • NMF(天然保湿因子)
  • 細胞間脂質

3つの保湿成分があげられます。

角質層断面図

角質に水分が保持され、保たれていることがうるおいのある肌とされています。

  • みずみずしい
  • キメが整っている
  • しっとりしている
  • 水分は10-20%含まれている

状態ですね。

しかし、様々な要因で肌はうるおいや水分を保持されなず乾燥を招くのです。

要因として挙げられるのは1日のうち長時間過ごす環境に影響されます。

  • 紫外線
  • 冷房
  • 暖房
  • 冬の冷たい風
  • 湿度の低い環境

など。

湿度が低いときの肌状態とは、大気の水分が少ないため直接そこに触れる角層は水分を抑えてく圧が低い状態におかれます。

そのため、水分移動が早まりTEWL(経表皮水分喪失)がおきます。

私達のお肌の水分は通常、触れている空気の湿気の方が高くなっていれば
うるおいが押し込まれている状態になるのです。

さらに、肌質自体が脂質の少ないタイプであるほど、よりTEWLは加速しより肌は乾いていきます。

肌質を決定づける皮脂分泌は20代前半をピークに減少していきます。

加齢とともに肌機能が衰えると、それも角層水分は失われやすく水分量10%以下になると

『カサカサする』状態に陥るのです。

うるおい(皮脂膜・NMF・細胞間脂質)と、それによって保持されるべき10-20%の水分を満たすことが乾燥していない肌状態となります。

TEWL(経表皮水分喪失)が起こる要因

角層の水分は皮脂膜を第一バリアとして蒸散されないよう抑えられています。

皮脂膜下ではNMFや細胞間脂質にサンドイッチ状に保持されています。

細胞間脂質のズーム

角層内の働きの中で

  • 皮脂分泌量の低下
  • NMFの減少
  • 細胞間脂質の減少
  • 新陳代謝の低下
  • 紫外線ダメージ

これらが要因となって水分蒸散を引き起こしています。

NMF(天然保湿因子)の減少とは

表皮ケラチノサイトは、顆粒層を最後にアポトーシス(細胞死)を起こします。

そのため角質層は細胞死した集合になります。

しかし、角質内にあるうるおい成分、NMFが水分保持に大きく影響しています。

そのためNMF(アミノ酸類40%・ピロリドンカルボン酸12%)が減少すると肌は乾燥します。

減少する原因に挙げられるのは、過度な洗顔もしくは間違った洗顔によりNMFが流出してしまう。

美容家が洗顔の重要性に警鐘をならすのはこのためなのです。

さらには、加齢によるNMFの生産が減少すること。

NMFは顆粒層の時期にフィラグリンと言う先駆体で作られています。

つまり、年齢と共にお肌の新陳代謝が遅れることでNMFの先駆体であるフィラグリンの生産が減少することが原因にあげられます。

また細胞間脂質においても同様(セラミド50%・遊離脂肪酸20%・コレステロール15%)加齢とともに減少していきます。

ターンオーバーの重要性

いわゆる美肌の条件は、お肌の新陳代謝が整っていることです。

細胞の生まれ変わりが早すぎる場合、丈夫な角質細胞が作られずその過程でつくられるNMF・細胞間脂質も不足している状態になります。

それは、肌の水分量が10%以下になることで乾燥を引き起こすようになります。

細胞の生まれ変わりが遅くなる場合、

落屑層(不要な角質)の細胞が剥がれ落ちず、角層は肥厚していきます。

肥厚した肌は長時間落屑せず、表面にとどまるため皮膚表面はざらざらします。

さらにしなやかさが失われくすんだ状態になります。

紫外線ダメージによる乾燥とは?

紫外線を浴びると細胞事態を守るために潜んでいたメラニンが黒くなり、さらにメラニンを増殖していきます。

有害な紫外線から細胞を守るため、角質は厚くなります。

厚くなる過程で角層の水分量は減少し乾燥を招きます。

UVB波により炎症を引き起こしながら起こる現象だですが、UVA波によってさらに作用が強まる。

つまり、日焼けはもちろんですが、日常生活における紫外線対策も十分に必要だと言う事です。

肌を乾燥させないためのケア方法

哺乳類が陸で生活できる条件に

  • 酸化
  • 紫外線
  • 乾燥

この3つに耐えられる皮膚をそもそも持ち合わせています。

しかし、生命活動から進歩し『美肌』を求めると

  • 抗酸化
  • 紫外線対策
  • 保湿

より手間暇をかけることが求められます。

日中の、日焼け止めやベースメイクでの紫外線や乾燥対策

スキンケアの習慣化でうるおいを保つこと。

洗顔の仕方によっては肌乾燥を守るはずのNMFを減少させてしまう可能性があります。

ぜひ、正しいスキンケアで多くの肌悩みの引き金になる肌乾燥を防ぎ、うるおいと水分量のキープをしてください。

お肌を通したお付き合いをお客様とするエステティシャン・セラピストは、肌の仕組みをしっかり理解し、

ただ単に「肌が乾燥しているから…」ではなく、肌の機能がイメージでき、原因と対策がお伝えできるよう知識として記憶して欲しいと思います。

まさにこれからの時期にお客様に必要なアドバイスや提案で多いのが
肌乾燥です。メカニズムをしっかり抑えておきましょう!

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